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ゲーム寄りのよろず二次創作ブログ
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ACE COMBAT 6 SS
バルトロメオ要塞攻略戦とアネア大陸上陸戦の合間。
ある日のガルーダのふたり。過去と現在と、それぞれの理由について。



「あー、ごめん。タリズマンって呼んでくれないと反応しないことが多いんだ、私」
 そう言って困った顔をする彼女の、その本名を知っていても呼んだことがある人間はそういないのかもしれない。そもそもパイロット同士はTACネームで呼び合うことが多いが、こと彼女―マリア"タリズマン"アッシュに関してはそれが顕著だ、なにしろ本人がそんな風に言うくらいなのだから。そしてそれはタリズマンが他のパイロットに呼びかける場合にも徹底している。臨時編成から正式に僚機となったマーカス"シャムロック"ランパートのことも、ただの一度も名前で呼んだことがない。
 当のシャムロックは別段それを気にしておらず、むしろその事実に気がついてもいなかったのだが、ある日、ふと、本当に何気なくファーストネームで呼びかけた際に返事をしてもらえず、肩を叩かれて振り返った彼女の言葉を受けてようやく思い至ったのだ。タリズマンが一度も自分を、階級やファミリーネームはおろかファーストネームで呼んだことすらない、と。
 それをどう捉えるかは個人の感性、互いの距離感の量り方の問題になるのだろう。シャムロックはその辺りに拘るほうではなかったし引っかかりを覚えるほど青くもなかった。きっと彼女なりの理由や規則があるのだと思った程度で、それに合わせることも苦ではない。
 しかし、いつしか気がついた。それが彼女の、一種の『線』なのだと。
「また君は、こんなところに寝転がってるのか」
「ああ、シャムロック。お疲れ」
 バルトロメオ要塞奪還から数週間。年明けをまたいでケセド島を完全に支配下に置き本土奪還の準備も整い始めたエメリア軍の航空基地、そのひとつの滑走路の片隅ではそんな会話が交わされていた。
 いつスクランブルがかかるやもしれない待機命令の日、昼をとっくに過ぎた太陽の下、腰に手を当てて立つシャムロックの影が、息を荒げ胸部を大きく上下させながら寝転がるタリズマンの顔を覆う。逆光の向こうに、呆れたものではない穏やかな表情を見いだしたタリズマンもまた同じような笑みを返した。
 彼女が自主的なトレーニングとして走り込むのを趣味にしているとシャムロックが知ったのも、随分と前のことだ。時には付き合って一緒に走ることもあるのだが、その度に気になっていたことを彼は口に上らせる。
「そんな風にしていたら髪が傷むんじゃないか?」
 タリズマンの黒髪は、なんの隔たりもなく……ゴーストアイの言葉を借りれば『地面とキス』している状態だ。これは良くないんじゃないかと、自分の娘が髪に気を使っていたことを引き合いに考えたシャムロックの言葉にタリズマンは一瞬あぜんとし、すぐに軽く噴き出す。それにシャムロックが首を傾げた。
「なにかおかしなことを言ったか?」
「おかしいわけじゃないけど! じゃあ、むしろ私がおかしなこと言ってもいい?」
「ん?」
「なんだかシャムロック、お父さんみたいだ」
「……いや、十しか違わないんだけど僕たちは」
 指摘を受けても地面にぺったりと頭をつけたまま自分を見上げさもおかしそうに言ったタリズマンに、まさにその通りかと納得しかけるが、さすがに自分たちの年齢差を思うとそれもどうかとシャムロックは肩をすくめる。こんな大きな子供を持つほど老け込んだ覚えはないし、タリズマンも一応、成人して数年経っているはずなのだから。
「ごめんごめん! まあ、私がこうでシャムロックが大人だからさ」
 そんな返答をされてしまっては立つ瀬がない、とため息をつきながら、シャムロックはタリズマンの傍らに腰を下ろす。それに合わせて彼女も上半身を起こしてその場に胡座を組んだ。案の定、その黒髪にゴミが付いてしまっていて、シャムロックがごく自然に指を伸ばしてそれをつまみ取る。それに、ありがとう、と言いながら髪を手で整えて残りのほこりを払い落とす姿に、彼は苦笑しつつ口を開いた。
「確かにそう言われても仕方ないな」
「なにが?」
「僕の娘は、よく髪のことを気にしているんだ。だからついね」
 ふうん、とタリズマンが髪から手を離してシャムロックを見つめる。それはどこか空虚なのにまるでなにかを確かめるかのように熱心な視線で、見つめられた彼がどうしたのかと不思議に思ったとき、
「じゃあ、間違ってないんだ。さっきのシャムロックをお父さんみたいって思ったこと」
 その言い方が奇妙に感じられてシャムロックは眉をひそめる。なにがははっきりしないのだが、引っかかるものがあった。
「間違ってないって……」
「私の勝手な想像だったから」
 シャムロックから視線を外して呟かれたそれに、彼の中でひとつの推測と先ほどの違和感の正体が成立した。しかしそれを確かめるのはさすがに憚られ、無意識に手を口元に運びながらタリズマンの横顔を見ることしかできないままだったが、それすらどこか心苦しくなり逃げるように彼女の視線の先へと意識を投げる。
「……君は、そんなに滑走路が好きなのか?」
 そう、タリズマンの視線の先にあるのはなんの変哲もない滑走路だ。シャムロックはすでに、彼女がグレースメリアにいた頃から滑走路を眺める習慣を持っていたことを知っている。それは本人から教えられたことでもあり、また他のパイロットから伝え聞いたことでもあった。
「ああ、きっと好きなんだと思う。いくら見てても飽きないしね。それに、国の果てでもここは変わんない。だから世界はどこでも同じだなって」
「世界?」
 滑走路がどこも代わり映えしないのはわかる。しかし、世界とはなにを意味するのかがわからずにシャムロックが聞き返すと、彼女は、うん、と頷く。
「ここには世界のすべてがある。空と大地と、滑走路と、飛行機。それで全部だろ?」
「いや、それは……」
 なにかの喩えではなく本当に『世界』という意味だとは思ってもみなかったシャムロックは、なんと答えるべきなのかと口ごもり、同じ格好で前を見続けているタリズマンの横顔に視線を戻す。そこにあるのは、先ほど感じたあの空虚に支配された表情だ。
 組んで数ヶ月、いつしか彼女の背に漠然と感じるようになっていたものを目の当たりにして、シャムロックは表情をこわばらせ……己の心に覚悟を要求した。『相棒』の、片翼のなにかに触れてしまうことへの覚悟を。そしてなにより、こうして触れさせる機会を作り出した彼女へ応える覚悟を。
「なあ、タリズマン。君とは、長い付き合いになったな」
 急に改まったシャムロックの調子に気がつかないのか、それをあえて無視しているのか。恐らく後者なのだろうと判断する彼の前で、やはり滑走路を見たままタリズマンはうなずく。
「んー、うん。ていうか、これからも長い付き合いになりそうだよな」
「自惚れかもしれないけど、そういう僕は、君の世界を変えなかったのか?」
 え、と今度はタリズマンがシャムロックに振り返った。その戸惑いを宿した瞳を真っ直ぐに見て彼は続ける。
「僕の世界、この滑走路から繋がっていく、君の言う『世界』は、まさしく君に会ったことで変わったよ。正直、僕がグレースメリアを目指せること自体が君のおかげなんだ」
「違う。シャムロックは奥さんと娘さんのために戦ってるんじゃないか。二人に会うために、助けるために、グレースメリアを目指してるんだろ?」
 宿した戸惑いを怒気に変え、まるでシャムロックに言い聞かせるように返したタリズマンだったが、それもすぐに緩めて目を伏せる。
「そういうところも、お父さんみたいだって思うんだ」
 小さくなったその声は、恐らく言うつもりのないものだったのだろう。言い終わると同時に、あ、と上げたタリズマンの顔は明らかに焦ったものになっていて、ぺこんとシャムロックに頭を上げる。
「ごめん。さっきから、その、勝手に」
「勝手ついでに、少し話してみないか?」
「は?」
 予想だにしなかったシャムロックの言葉に、タリズマンが動きを止める。どういうことかと目で尋ねる彼女だが、いつもなら察してくれるはずの相棒は穏やかに笑うだけだ。だから仕方なく、タリズマンは声に出して問いかける。
「なにを?」
「君が話したいことを。それはきっと、僕が聞きたいことと同じだ」
 答えになっていないそれに腹を立てることは簡単だろう。実際、普段の少年のように奔放なタリズマンの様子を知る者なら、怒り出すに違いないと予測するはずだ。だが、彼女はそうしなかった。また、あのどこか空疎さに満ちた表情になり、ただシャムロックを、いや、彼すら瞳に映さずに思考に沈む。
 しかしそれはほんの数秒で、ゆっくりとタリズマンの瞳に光が戻った。
「私は、知らないんだ」
「なにを?」
「シャムロックがグレースメリアを目指せる、その、なんだろ……」
「理由?」
「ううん、理由は知ってる。ていうか、さっきも言った」
「ああ、そうだったな」
「なにかわかんないけど、その、わかんないものが……」
「うん」
「お父さんみたいって思うことに近いの、かなって」
 空で交わされるのと同じ、ひとつひとつを丁寧に汲み取る会話。それがタリズマンの思考を、伝えたいことを整理しているのだろう。同時に、彼女が本当にしたいことができるように流れを整えていく。
「私、親ってものをよく知らないのに。変な話だよな」
 いつしかそれが地上でも違和感なく行われるようになったのは関係の変化の証であり、その行きついた先として彼女が胸に手を置いて告げたことに、やはりか、とシャムロックは痛ましく思いながらうなずくしかない。
「髪とか見ればわかると思うけど、私はグレースメリアの生まれでもエメリアの生まれでもない。親が私をつれてユリシーズから逃げてアネアに来て……多分、東ユージアかノースポイント辺りから来たんだと思うけど、正確にはもうわからないんだ」
「……そうか、ユリシーズか」
 『1999年、この地球に星が降る』。どこかロマンチックな言葉とは相反する、人類の滅亡に直結する小惑星ユリシーズ落下の事実が1996年に発表されたとき、世界の混乱と戦乱への膳立てはすでに始まっていた。巨大固定砲ストーンヘンジ建設などの隕石迎撃の手段が講じられたものの、1999年7月、ユリシーズの破片は流れ星としての姿をかなぐり捨てて大地へと降り注いだ。予測通りユージア大陸を中心に甚大な被害が生じ死傷者は最初の2週間で約50万、その後の大陸戦争のものを含めれば2000万以上を数える。
 彼女は現在25歳、つまり落下の年は9歳だったはずで、娘と同じ歳で現世の煉獄を目の当たりにしたのか、とシャムロックは思わず息を詰めた。だが、彼女は覚えていない。当然物心はついており記憶があっておかしくないはずなのだが、まったくと言っていいほどなにも、だ。
 現在の"マリア・アッシュ"が自身の存在を認識したとき、彼女はユリシーズ難民キャンプが設けられたエメリアの地方都市の教会、そこに被災孤児として集められていた子ども達の中にいた。それ以前は曖昧で切れ切れにしか思い出せず、特に6歳からそこまでの、ユリシーズ落下が公表された時期以降の記憶は塗り潰されたように真っ黒なままだ。
 それだけ忘れたいこと、忘れるべきことがあったのだ。なぜなら、彼女の両親は当てがあってアネアに来たわけではなく、ただ死にたくないから逃げ無策のままに行き詰まり、足手まといだった彼女を捨ててまたどこかに逃げていったのだから。
「アネアに来てから親とはぐれちゃったらしくてさ、他にも色々あったみたいで小さい頃のことは忘れちゃった。だから両親のことも全然覚えてない」
 その理由を知るよしもない彼女は明るく言う。記憶への執着が薄いことすらも自己防衛の一種だと気がつかないその振る舞いは、シャムロックには彼女の強がり―さらに痛々しさを増す行為に捉えられ、表情が歪むのを押さえきれなかった。
「シャムロック、そんな顔する必要ないって。かなり恵まれた育ちだって自分では思ってるよ? そのまま放り出されもしないで、国がやってたユリシーズ難民施設の孤児院に入れてもらえたんだし」
 当時を思い返しているのか、タリズマンはどこか遠い目になっている。そこに苦みや疼きはなく、彼女が嘘を言ってないことはわかった。そして、それからさ、と言いながら、すっと右手を空に差し伸べ指の隙間から太陽を見て目を細める。
「そこの人たちに軍に誘われて、向いてるって言われたから、ただなんとなく成り行きでパイロットになった。なのに師匠に飛び方を教えてもらえて、今はこうして相棒までいる。……本当に、私は恵まれてる」
 そして、タリズマンは口を噤んでしまう。
 彼女に飛行を教え、秘めたセンスを引き出して見せたのだろう師匠とやらも気にかかったが―相当に型破りな教官だったのだろうがシャムロックに心当たりはない―途中から、相手に言うのではなく改めて自身に諫めたようにも取れたそれにはまだ先があるように思え、シャムロックは黙ったまま続きを待っていた。が、タリズマンはただ指の隙間の向こうに太陽を見続け、いや、なにかを探し続けるばかりだ。
「……どうしたんだ?」
「あのさ、シャムロックは、自分の手で掴めるものがどのくらいかって考えたことある?」
 その探し物がわからず、ついに尋ねたシャムロックに浴びせられたのは唐突な質問だった。しかし彼女の中ではそれも一つに連なった事柄なのだろうと、彼はすぐに真剣にその意味を考え出す。
「それはつまり、僕がこの手で守れるものってことか?」
「んー、まあ、そんな感じ。ちょっと青臭いけどね」
「確かに。でも僕が考えていることこそ青臭いさ、真っ先に浮かぶのが妻と娘なんだからな」
「ああ、そっか」
「それから」
 今度はシャムロックが言葉を切り、とん、とタリズマンの肩に手の甲をぶつけた。それに、いやに大げさにビクリと身を震わせた彼女が自分のほうに顔を向けるのを待って、彼はゆっくりと告げる。
「君だよ、タリズマン」
「わ、私?」
「だってそうだろう? ガルーダは必ず二機で帰投する。言ったのは君で、僕もそうありたいと思っている。だから僕は君の背を護り、君も同じく僕の前を飛び道を示してくれる」
 まあ僚機を守るのは当然のことでもあるけどな、と付け加えながら笑ったシャムロックを、タリズマンは呆然と見ている。そこには先ほどのような熱心さはないが、空虚さもまた消えていた。
 やがて、くしゃりと彼女の表情が崩れる。笑顔に近いようで、しかしそれから一番遠い、曰くしがたいその表情になにかを差し伸べたいとシャムロックは強く想う。そしてこの場ですぐに用意できる相応しいものが、彼が考え得る中にひとつだけある。彼女を世界に刻む名を呼ぶこと、だ。ただ、そこに当てはめるべきものがなんなのかが、未だ彼にはわからない。"タリズマン"なのか"マリア・アッシュ"なのか、が。
「タリズマン?」
 これこそが彼女の境界線であり、今の最適解はこちらなのだ。そして、それが合図だったかのようにタリズマンが絞り出すように言う。
「私は、私は護るなんて考えたこと、なかった。この手に掴めるものがあるって考えたことがなかった」
 そう告げた彼女の表情は、先ほどの曰くしがたいものではない。
「私の手は、私を空に連れて行ってくれた。それだけで充分だったし、それ以上のことなんてない。だって初めて空に上がったときにわかったんだ。私はここが好きだって、もしかしたら、なんとなくなんかじゃなく、最初から空に行きたくて仕方なかったのかもしれないって」
 だから彼女の『世界』は滑走路で完結してしまったのだ。そして、その世界に刻まれた名が"タリズマン"なのだろう。同時に、彼女にとって己が僚機を『世界』に刻むのは"マーカス・ランパート"ではなく"シャムロック"と、すでに決まっているのだ。
 彼女の空での様子を誰よりも間近にし続けてきたシャムロックには、タリズマンが空に抱かれることに特別な意義を見いだしていることは明白だった。その理由はわからないが―もしかしたら、避けようのない厄災であったユリシーズに関してかもしれないと今なら思えもするが―納得することなど簡単だ。それは共に飛ぶ彼女だって知っているはずだから、言葉など必要ない。
 そしてタリズマンは、今、目の前で静かに頷いてくれる相棒に、その気持ちまでをもわかってほしいなどとはまったく望んでいなかった。ただ彼のおかげで思い描くままに空に生きられることを、心から感謝していただけだった。
 でも今は違う。彼女の『世界』には確かに"シャムロック"がいる。いや、それだけではない。諦めずに追い続けることが許されるのだから、きっと世界はここより広がっていき、いつか這い寄る悪魔の囁きすらそこに解けていくのかもしれない。……そしてさらに思いついた考えに、ああ、私は案外欲張りなのかも知れないな、とやけに爽快な気分になって、
「よし、決めた! 私、シャムロックの家族のために戦う!」
 パンとその場に響いた軽い音は、タリズマンが胸の前で右の拳と左の掌を打ち合わせたものだ。
「え?」
「シャムロックが家族に会うために飛んでるように、きっと二人もシャムロックに会うためになにかしたいはずだろ? でもグレースメリアにいるんじゃ、できることはなかなかない。なら私がその代わりになる」
 生き生きとした表情で宣言されて面食らったシャムロックだったが、続いたそれにさらにあっけにとられる。タリズマンはそんな彼に構わず彼女らしく思ったままの飾らない気持ちを語り、勢いをつけてひょいと立ち上がって、
「というわけで、もっと強くならないと。じゃ、私、もう一走りしてくる!」
 言うやいなや身を翻してタリズマンが走り出す。とっさに座ったままその背に腕を伸ばしたシャムロックだったが無論なんの意味も成さず、軽快な足音と後ろ姿はどんどん遠くなっていくばかりだ。
「……走るのが早いな、君は」
 そういえば付き合って走るときはいつも追いつけないな、とシャムロックは息を吐いた。でも、それで良いんだろう、自分の役割は彼女の背中を護ることなのだから、と。そして彼女の姿が視界から消えるのと同時に呟く。
「モニカとジェシカのために、か」
 君はそれで良いのか、グレースメリアには君を待つ人もきっといるはずで、それを知らないだけではないのか。本来ならばそう諭すべきなのかもしれないが、それでも、彼女の真っ直ぐな言葉と気持ちが嬉しくないはずがない。だから、自分にはありがとうと言う資格はないのだろうけれど、家族に代わり感謝の意を伝えよう。そのために彼女が戻ってくるのを待っていよう。そう考えるシャムロックの頬が自然にゆるむ。
 タリズマンは戻るなどとは言っていないし、むしろその必要もない。だというのに彼女がここに戻ってくると確信している己に気がつかないまま、シャムロックは腕を下ろして空を見上げた。


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