風色サーフ ZERO
我々の命は 我々のものではない
我々の勝利は 我々のものではない
我々の誇りは かの空と共にあり
そして我々の矜持は、地獄の鎖に繋がれている
長引く大戦の中、伝統ある中立、栄光ある孤立を護るベルンシャッハ連邦であったが、その消耗は激しかった。国は生き延びるためにプライドを捨てることを選び、他国よりの義勇兵を募る。義勇兵とは名ばかり、金目当ての傭兵と行き場のないならず者達で構成された捨て駒であるはずの彼ら、そのうちのひとつが、ベルンシャッハ連邦軍第6旅団第66飛行隊……通称『ケルベロス』であった。
正規軍より派遣された飛行隊長の元、わずかな訓練を施されたのみで実戦投入されたパイロットたちは驚くべき成長を遂げ、大戦末期、その名の通り帝国の対ベルンシャッハ戦線を煉獄に変えたと言われている。
しかし彼らの戦闘の多くは正規の記録に残っていない。彼らの真実はベルンシャッハの闇に消えた、消えざるをえなかった。その理由、大戦の終結を目前にして壮絶な自壊を遂げたと囁かれる『ケルベロス』の最後を語ろう。
その三つ首に喩えられた三人のパイロットと、その胴に喩えられたひとりの航空技師の物語を。
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舞台は大陸大戦中のベルンシャッハ連邦(ファンブック&公式HPコラム参照)。
この国は位置からしてスイス=中立を護っていると想像。
大戦後期、連邦は帝国との戦闘で消耗&手っ取り早い戦力補充として他国よりの義勇兵を募る。義勇兵とは名ばかり、早い話はカネで死んでくれる人材と傭兵の募集。外国人が大半を占める義勇兵とそれらを指揮するわずかな正規兵で構成された前代未聞の連邦軍第6旅団、その一飛行隊が物語の舞台となる。
主人公「ケルベロス1」。女性エースパイロット、通称『黒衣の未亡人(ブラック・ウィドウ)』。ケルベロス隊の飛行隊長。ベルンシャッハ軍正規兵。中尉くらい? 通称の由来は、彼女が所属した隊がことごとく全滅、だが彼女のみが生き残り続けているため。P-61とかYF-23は特に関係ないヨ。「僚機を守れないエース」である自分を皮肉り、ある時期から機体を目立つよう黒く塗っている。自分よりも飛ぶこと優先。空が生きる場所、飛べなくなったら困るから戦争にも肯定的。
風色世界のこの時代は無線技術が未熟みたいでコールサインとかそういうのはないんだろうけど名前考えるのが面倒便宜上「ケルベロス1」呼び。
戦果は上げるが拭いようのない不吉さを纏う彼女は、『異例の女性隊長』という抜擢に見せかけて捨て駒の第6旅団に押し込められる。僚機のケルベロス2、ケルベロス3、そいつらを支える整備担当の航空技師が乙女ゲーでいう攻略対象、あとグリュンフォイエルは当然空で戦うだろうし、がんばればブラウシュバッツも出せるんじゃないかな~、いや国家の位置関係的に無理か。「黒衣の未亡人」と「僚機を護るエース」との対比って最高なんだけどな。
ケルベロス2、ケルベロス3については正規兵じゃないんで「あんたと戦いたい」とか「あんたを幸せにするには墜とすしかない」とかいって帝国に行っちまうルートとか、逆にケルベロス2、ケルベロス3が凄惨な戦いでイッちゃって止めるために主人公が帝国に行くとか、技師が「あんたは地上に戻るべきだ、だから墜とせる機体を作る」って帝国行くとか、そんな敵味方に分かれて仕合って隊は自壊、自分たちの未来を模索してわかり合えず最後には一騎打ち、なルート満載で。
まあ、それ以前に主人公の通り名が『黒衣の未亡人』とかいう辺りでもうダメなんだろうけどな。グリュンフォイエルとは本気で殺し合うわけだし、それもダメだな。つか、トゥルーエンドでも大団円ハッピーにならない自壊前提じゃダメなんだろうな。
と思ったのでここらで考えるのをやめた。
悲恋とか死にネタが好きです(締め)。